三者間ファクタリングのメリット・デメリットを徹底解説

ファクタリングとは、企業が保有する売掛債権をファクタリング会社に売却し、支払期日前に資金を得る資金調達方法です。このファクタリングの形態の一つである三者間ファクタリングは、「サービス利用者」「ファクタリング会社」「売掛先」の三社が関与して契約を締結する方式です。三者間ファクタリングでは、売掛先にファクタリングの利用を通知し、承諾を得ることが前提となります。この特徴により、二社間ファクタリングとは異なるメリットとデメリットが生じます。

三者間ファクタリングのメリット

三者間ファクタリングの最大の利点は、手数料が割安になることです。手数料の相場は、通常2〜9％程度と、2社間ファクタリング(8〜18％)に比べて低く設定されています。これは、売掛先の承認によって取引の透明性と安全性が高まるため、ファクタリング会社が負う売掛金の未回収リスクや二重譲渡・架空債権のリスクが低減されるためです。

また、このリスクの低さから、審査のハードルが低い点も大きなメリットです。利用者の財務状況よりも、主に取引先(売掛先)の信用力が重視されるため、銀行融資が難しい中小企業や、経営状態が安定していない個人事業主でも資金調達できる可能性が高まります。個人事業主の場合、二社間で求められることがある債権譲渡登記が不要となる点も利便性が高いです。

さらに、売掛金は売掛先からファクタリング会社に直接支払われるため、利用者は売掛金を回収・送金する手間がありません。これにより、資金の受け渡しや支払管理などの事務手続きを軽減できます。加えて、回収業務を代行してもらえることで、本業に集中できる環境が整います。

三者間ファクタリングのデメリット

最も大きなデメリットは、売掛先への通知と承諾が必須である点です。これにより、「資金繰りに困っているのではないか」とネガティブな憶測を招き、売掛先との今後の取引関係に悪影響を与えるリスクがあります。特に、新規取引先や関係が浅い企業に対しては、信用不安を与える可能性があるため注意が必要です。

二つ目のデメリットは、資金調達までに時間がかかることです。三社間で契約を進めるため手続きが煩雑になりがちで、特に売掛先への通知や承諾を得るプロセスが加わるため、入金までに数日〜1週間程度を要するのが一般的です。急ぎで資金調達をしたい場合には不向きな方法といえるでしょう。

さらに、売掛先の承諾が得られない場合は利用できないという制約もあります。売掛先によっては、ファクタリングの利用に難色を示すケースもあり、その場合は別の資金調達方法を検討する必要があります。

まとめ

三者間ファクタリングは、手数料を安く抑えたい場合や、売掛先との関係が良好で相談できる場合、または資金調達に時間的な余裕がある場合に特に適しています。また、ファクタリングを初めて利用する際にも、大手企業がサービスを提供していることが多いため、安心して利用できるという利点があります。一方で、売掛先への通知が必須であることから、取引関係への影響を慎重に検討する必要があります。自社の状況や売掛先との関係性を踏まえて、最適な資金調達方法を選択することが重要です。